My style with LAOSTE VOL.5
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My style withborderLACOSTEVOL.5

それぞれの個性が光る、親子3世代の競演。
川邉ファミリーのファッションDNA

各ジャンルで活躍するキーパーソンが、独自のセンスでラコステを着こなす連載「MY STYLE WITH LACOSTE」。第5回は、トータルビューティークリエイターの川邉サチコさんとその娘であるビューティディレクター/ファッションアドバイザーの美木ちがやさん、そして孫で編集者/ライター/スタイリストとして活躍する川邉伸太朗さんが家族で登場。春夏の新作と定番のポロシャツを、三者三様のセンスでコーディネート!

Sachiko Kawabe

Total Beauty Creator

1938年、東京都生まれ。パリでヘアメイクとしてのキャリアを積み、メゾンブランドのショーをはじめ、広告や映画など幅広いフィールドで活躍。現在は予約制のビューティサロン「KAWABE LAB」を娘のちがやさんとともに主宰。

Chigaya Miki

Beauty Director, Fashion Adviser

1963年、東京都生まれ。インテリア、ファッション、美容を学ぶ。現在は母サチコさんとサロンを主宰。一人ひとりの美しさを引き出す研究を重ねる。『クワネル・サロン』、『ハルメク・アップ』など各メディアで発信。

Shintaro Kawabe

Editor, Writer, Stylist

1993年、東京都生まれ。セレクトショップスタッフから編集・ライターに転身。現在は雑誌やカタログなどを中心に活躍し、スタイリストとしても活動中。ブランドの刊行物なども手がけている。

Style #1
Style #1

Chigaya

Sachiko

Shintaro

Style #1

  • サチコさん ポロシャツ ¥16,500(税込)

  • ちがやさん ポロシャツ ¥17,600(税込)

  • 伸太朗さん ポロシャツ ¥17,600(税込)

  • Other items are personal owned

まずは春夏の最新コレクションが主役のコーディネートを披露。思い思いにアイテムをセレクトした3人、着こなし方にもそれぞれのおしゃれ哲学が見え隠れする。そこで早速質問。スタイリングに込めたのはどんなイメージ?  ポイントはどこに? 

川邉サチコ:私が選んだのはストライプのシャツとポロシャツ(Style #2)です。シャツはもともととても好きで、年中着ているようなワードローブの定番的存在ですね。ワイドシルエットのチノパンツはスタジオ・ニコルソンでベルトはGU、スニーカーはミュウ ミュウです。スポーツウエアは、特にアレンジを加えずにそのまま着てしまうことも多いと思うんですよね。でも、重ね着なんかしたら、こんなにアレンジが楽しめる物なんですよね。今回のコーディネートは、ちがやさんにアドバイスをしてもらいながら組んだのですが、自分でも新鮮な感覚でした。靴も紐のカラーリングが左右で違うというデザイン。大人になるとどうしても冒険しなくなってしまうけれど、こういう遊び心こそ、おしゃれの醍醐味でしょうね。

美木ちがや:私は「メイド・イン・フランス」コレクションから、トップスとパンツ(Style #4)をセットアップで。中に重ねたのはSIBLINGのリメイクシャツで、ベルトと靴はZARA。レイヤードして着こなすのが素敵だと思ってコーディネートしました。シャツの襟には、ピンバッチをいくつか。これは映画をモチーフにしたものと子供達がスキー学校で貰った菅平スキー場のバッチで、普段からいろんなところに付けているんです。バッグとか、いろいろ。こういうちょっとしたアイテムで服をより自分らしくパーソナライズするようなことが好きですね。

川邉伸太朗:僕はこのオープンカラーの半袖シャツ(Style #3)。ハリのある素材感なので、少しラフに、色を立たせて着たいと思いました。インナーにはサンスペルのTシャツ、ボトムはスモークトーンのスウェットパンツを合わせています。靴はゴーシャ・ラブチンスキーのもので、キャップはNY州の美術館ディア・ビーコンに行った妻からのお土産もの。キャップは自分のスタイルのトレードマークでもあるかなと思います。

Style #2
Style #2

Style #2

  • シャツ ¥18,700(税込)

  • ポロシャツ ¥17,600(税込)

  • Other items are personal owned

ラコステというブランドについては、どんな印象を持っている?

美木ちがや: 過去にテニスをしていたことがあるので、ラコステのウエアにはもう散々というほどお世話になりました。テニスという、服装にも厳格なマナーがあるスポーツの世界にある服だからでしょうか、スポーティだけどきちんとした印象がありますよね。あと、これは当時から思っていることなのですが、とにかく丈夫。毎日洗濯してヘビーに使っていましたが、それでも型崩れしないんですよね。襟や肩のラインが綺麗なまま。そういう、品質に対する信頼がありますね。子供たちがまだ小さかった頃は、伸太朗とお兄ちゃんにも着せていたよね?

川邉伸太朗:そうだね。母が着せてくれていたこともあるからか、僕もラコステの服にはきちんとした印象があると感じています。あとは、オーセンティックで、説得力があるブランド。そういう魅力を感じます。初めて自分で手に取ったのは、確か大学生くらいかな?  ポロシャツが欲しいと思った時に、まず頭に浮かんだのがラコステでした。あとは、ヴィンテージのブルゾンなども着ていたことがありましたね。ナイロンと鹿の子地のものだったんですけれども。

川邊サチコ:私なんかは、今日着てみてどこか優しい印象があるなと思いましたね。私たちのジェネレーションにとってラコステといえば、スポーツウエアの代表格。とは言ってもハードなイメージではなく、あくまで優しい感じ。フランスのブランドだからでしょうか?  ファッション性も高いですよね。男性がラコステのポロシャツをタキシードの中に着ていたりするのも、サマになる。そういう個性があると思うんです。実際、私たちの知人にポロシャツをスーツに合わせて着ている女性がいて、すごく格好良く決まってる。それってきっと、柔らかい素材でありながら襟のラインなんかはとてもキレイに出るっていう……そういう持ち味のなせる技なのかなと思います。

Style #3
Style #3

Style #3

  • シャツ ¥18,700(税込)

    5月中旬発売予定

  • Other items are personal owned

そのポロシャツを、3人ならどう着こなす?  今回のもうひとつのテーマは、ポロシャツの着こなし方。
王道のアイテムに、どんなアレンジを加えたのだろう?

美木ちがや:今回はカジュアルなポロシャツをドレッシーに着こなしたいと考えたんです。それで、シースルーの長袖カットソーとレイヤードして、セシリー・バンセンのスカートを合わせて。足元のZARAのローファーも含め全身ブラックのコーディネートですが、スカートはハリ感があって、カットソーはシースルーで……というように、素材のニュアンスが違う。こうやってコントラストをつけることで、黒一色でも表情が出るというか、着こなしにリズムが生まれると思うんですよね。そこにパールのネックレスやカチューシャをアクセントとして取り入れています。

川邉サチコ:私が選んだポロシャツは、オーソドックスなモデルよりも丈が短めで、オーバーサイズ。そこにZARAのボウタイ付きのシャツと重ねて、少しベストのような感覚で着てみました。シャツだけだとパリッとした印象だけど、ポロシャツの素材感が加わることで、柔らかさが出る。これは、シニアの人にもぜひ着てほしいアイテムだなと思いました。そしてやっぱり、襟のラインが良いなと思いました。ジャケットなどの中に着てもしっくりくるし、一枚で着ても絵になるんですよね。あとは、ラコステのマークは歴史と由緒のあるものだから、これが入ると印象がキリッと締まるのよね。最初はここに白いパンツを組み合わせようかと考えていましたが、デニムを選びました。こっちのほうが私らしいと思って。足元は春なので抜け感のあるサンダルを合わせています。

川邉伸太朗:僕はネイビーのポロシャツに合わせて、ボトムも同じトーンのネイビーで。ジャーナルスタンダードのフォルというブランドのパンツなのですが、麻が入っていて着心地がいいんです。今回は2人がシンプルに行くと話していたので、僕も着ていてリラックスできるようなスタイルにしようと思いました。靴はドリス ヴァン ノッテンで、手元にはカルティエの時計とレバノンのジュエリーブランド、ディナカマルのリングを付けています。インナーのTシャツはノーブランドですが少しくすんだアイスグレーを入れたいと思いました。白だとちょっとつまらないかな、と思い。あとラコステには、この色とよく似たトーンのグレーのソックスがあるんですよね。結構好きでよく履いているんです。

Style #4
Style #4

Style #4

  • 鹿の子Tシャツ ¥12,100(税込)

  • トラックパンツ ¥29,700(税込)

  • Other items are personal owned

それぞれに違っていて、でもどこかでつながっているようにも見える、3人の視点。
ひとりひとりが自身のファッションについて語るとともに、家族のセンスについても教えてくれた。

美木ちがや:私の場合、「自分のスタイルはこれ!」というこだわりや、好き嫌いがないんです。どんな服でも一度着てみる、というタイプなんですよね。何でも着てしまう。ラグジュアリーブランドから、チーププライスのものまで。それこそ、ポロシャツのコーディネートで付けていたカチューシャは、渋谷のしぶちかで通りがかりに見つけたものなんですよ。そうやって色々選んで、「自分だったらこうしたいな」「こうアレンジするのがしっくりくるな」と色々試す。いちばん大切なのは、楽しめるということです。今日の1日、もっと言えば今ここにいるこの時間をどう楽しむかが、とても大事。そういう気持ちや選ぶ服も、どう生きるかも、全部どこかでつながっていることのように思うんです。年齢を重ねていくと自然と似合わなくなるものも出てくるけれど、そういう変化の先にあるのはきっと諦めじゃない。私は「この色やアイテムは、“今じゃない”ということなんだな」って考えるんです。制限ばかり作ると面白く無くなってしまうから、そうやって余白を残していきたいですね。こういう考え方だからか、結構インパクトのある服もためらわず着てしまう。近年はだいぶ落ち着いたんですが、家族には「そんな格好で出かけるの?」と言われることもしばしばありましたね。うちは夫も息子たちも母も、みんなスタンダードなものが好きだから。

川邉サチコ:そうですね。私はスタンダードなアイテムをよく着るほうだと思います。というのは、同じ1着でもスタイリング次第で色々な楽しみ方ができるから。特にシャツは若い頃から好きで、本当にたくさん持っています。昔からファッション業界で働いてきて、オートクチュールのショーなどでも仕事をしてきたのですが、そういう経緯の中で、デザイナーが作るものはデザイナーの考えのもとにあるもの。だからそれを手にしたら、自分流に着こなしてしまうというふうに考えるようになりました。うちの家族はひとりひとり、全員が個性的ですね。スタイルがみんな違うというか。親子でも私とちがやさんは正反対ですしね。だから、家の中では「それぞれが自分を演出するために服があるんだな」と教えられるようなこともありますね。

川邉伸太朗:僕の定番のスタイルは、そうですね…… 仕事柄、街を歩くのことが多いので、東京の風景に馴染むような服装が定番と言えるのかなと思います。色もグレーとかネイビーのような、ベーシックカラーが好きですね。そこにキャップや靴や時計でポイントを作るというような感じでしょうか。スタンダードなアイテムが好きなところは祖母の影響で、色使いや小物の取り入れ方は母のマインドを受け継いでいるのかなと思います。編集やライターの仕事を始める前はセレクトショップで働いていて、当時は今に比べるとかなり奇抜な服装もしていました。それはお客様へのプレゼテーションという意味もあったかと思います。今の仕事は裏方の役割だという意識があるからか、スタンダードなアイテムを着ることが増えました。その日どんな人と会うか、どういうスケジュールかというとこから着る服を考えることが多いです。スタイルの参考にしているのは、街ゆくおじさんですかね。そういうおじさんたちがたくさん登場するNYのファッションコンサルタント、モデカイ・ルビンスタインのインスタグラムもよくチェックしています。とは言っても僕自身も31歳なので、おじさんのスタイルを楽しみつつも清潔感は忘れないように…と思っていますが、そのあたりは祖母や母がいい影響をくれているかもしれないですね。

Style #4

最後に、「あなたにとってファッションとは?」

川邉サチコ:ファッションは生活。そうでしょう?  別に特別なものじゃない、生活というかライフワークだと思っています。今は、ファッションという言葉が一人歩きしていますが、でもそれだけのこと。堅苦しく考えずに、楽しめばいい。そうやって楽しんでいるうちに、自分のものになっていけばいいというふうに思いますね。

美木ちがや:生きる原動力。自分をいつも励まして、元気にしてくれるもの。ファッションはやっぱり無くてはならないもの。そういうもののひとつだと思います。

川邉伸太朗:僕は“その日その日で変わる流行”だと思います。自分のファッションは、明日変わる可能性だってある。明後日はまた別の服が着たくなる……というような。もっと言えば、今日の数時間後だって変わっているかもしれない。そうやって瞬間瞬間で移ろっていくのがファッションなのかなって思います。

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